時代とともに人々の生活スタイルが変化していくように、埋葬方法や供養方法にも変化が生まれています。
宗教上の観点などから土葬する国も多い中、日本は世界で最も火葬率が高い国の1つで、2014年の火葬率は99.97%。
そのほかの埋葬方法もある中、なぜ日本では火葬がメジャーなのでしょうか?
2019年最新版!日本で実施されているさまざまな種類の埋葬を紹介
日本で行われている埋葬方法は、土葬、火葬、水葬、洗骨葬など。
土葬は遺体をそのまま土に埋める方法で、世界でも多くの国で行われています。日本では旧石器時から行われ、山間部を中心に昭和初期頃まで続いていました。
しかし、国土の狭い日本には不向きなこと、疫病などの発生や地下水の利用などにより衛生上あまり好ましくないことから次第に行われなくなり、現在では禁止している自治体もあります。
それに取って代わったとも言えるのが火葬。仏教伝来とともに伝わってきたと言われていますが、縄文時代にも行われていた形跡があるほど古くからある埋葬方法です。
世界には宗教の教義から火葬を禁じる国もありますが、無宗教な人が多く土葬が難しくなってきた日本では、明治時代から火葬施設を充実させはじめ、現在ではほぼ100%の埋葬方法になっています。
そのほか、遺体や火葬後の遺灰や遺骨を海や川などに葬る水葬は、航行中の船内で死亡したなど条件を満たすことで行うことができます。
洗骨葬は遺体を風化させ、残った遺骨を洗い清めて埋葬する方法であり、沖縄地方の一部で行われています。
火葬後に故人の遺骨はどのように扱われるの?
火葬し終わった遺骨は、先祖代々引き継がれたお墓に納めることが一般的です。しかし、そのほかにも多種多様な方法で扱われています。
代表的なのは、永代供養。お墓がない、お墓を管理継承するものがいない、墓参りに行けない等の理由で寺院や霊園に遺骨を預け、管理・供養してもらう方法です。
また、近年よく聞かれるようになったのが海洋散骨。遺骨や遺灰を海などに放つ方法で、遺族だけで行えますが、規制などがあるため、専門業者に依頼したり、船をチャーターしたりしてセレモニーをしながら散骨する事例が多いようです。
そして、海に放つ別の方法としてサンゴ供養と呼ばれる方法も注目されています。特殊な容器に入れた遺骨を海に沈め、後々サンゴ礁を形成させます。
さらに、最新技術を駆使したユニークな方法で、宇宙葬と呼ばれるものも。遺骨などをカプセルに収めて宇宙空間に打ち上げ、遺骨をまく方法です。
いつでも身近に故人を感じることができ、手元供養の方法として近年特に人気を集めているのが「遺骨ダイヤモンド」。故人の遺骨をダイヤモンド加工し、アクセサリーとして身につけたり、傍に置いたりできるため、故人をいつでも思い出すことができると話題です。
遺骨ダイヤモンド:人気上昇中の新しい遺骨供養の方法
遺骨ダイヤモンドは新しい供養方法というだけでなく、さまざまな利点があることでも注目を集めていますが、遺骨でダイヤモンドを作ることは可能なのでしょうか?
元来、ダイヤモンドは結晶化した炭素です。人体にも炭素が存在し、遺骨や遺灰、遺髪に残る炭素でダイヤモンドを作ることができます。
工程は、遺骨や遺灰を細かく粉砕し、薬品等で約3日半かけて炭素の純度を精製。この炭素を高圧処理し、時間をかけて結晶化させていきます。
人工的に作られているため、よりエシカルで安全。天然ダイヤモンドのように様々な問題を引き起こす心配がありません。
遺骨ダイヤモンドの輝きは本来のダイヤモンドに匹敵しますが、生前の個人の輝きがプラスされているため、その輝きは一層美しいものになるでしょう。
アクセサリーとして身につけ、故人を日々偲ぶことができるうえ、結婚式や重要な誕生日など、人生の中で特別なイベントの際に代々受け継がれる宝石にもなります。遺灰をツボに残すよりも価値のある供養の方法と評判です。
近年の日本では、少子化などからお墓の維持や継承が困難になっているケースも多々見受けられます。このような問題も解決できるのが遺骨ダイヤモンドです。
まとめ
さまざまな埋葬がある中、国土範囲や衛生問題といった点から火葬が当たり前となる日本。
時代の変遷とともに生じる数々の問題で、お墓を持たない供養の方法も増えてきました。
その中でも、故人を自分の傍に置いておくことができ、故人の素晴らしい輝きを表現する「遺骨ダイヤモンド」の人気が上昇しています。